初めにおもてなしの心を込めてお出しする「尾鰭椀(おひれわん)」、から小菜、中鉢、大鉢、そして〆の梅椀(甘いもの・お汁粉)まで、長崎伝統の味をお楽しみください。
「お鰭(ひれ)」と呼ばれるお吸い物からスタートするのが、長崎名物の卓袱料理です。お鰭(ひれ)とは鯛の身と鰭が入った吸い物の椀のこと。このお鰭には「一つ椀に一尾を使っておもてなしします」という意味が込められています。
宴 会などの席で卓袱料理をいただく場合は、乾杯や幹事などのあいさつに先駆ける形で、このお鰭を皆で食べてから酒宴が始められるようです。食前酒、お鰭(お ひれ)、小菜、中鉢、大鉢、梅椀など大皿に盛られた料理が振る舞われ、食べる順番、食べ方などの決まりは特になく、円卓に並んだ料理を好きなように小皿に 取り分けて食べます。しっぽくとは、卓のことであり、しっぽく料理とは卓上の料理そのものを指します。

上座も下座もない円卓を囲み、和気あいあいといただく「卓袱料理」は、さまざまな国や街から人々が集う長崎にふさわしいスタイルだったともいえるでしょう。
ポルトガルやオランダとも交流のあった長崎は、時代を経る中で、中国伝来のその料理に、和食、洋食のアレンジも加えられ長崎独自の和・華・蘭料理へと発展していったのです。
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